突然ですが、明智光秀の話。
↑ゲームのキャラクターの光秀?
『本能寺の変』といえば日本史史上でもかなり重要な転機であり
大河ドラマでももう何度も演じられているできごとですよね。
そのシーンの有名な台詞
光秀『敵は、本能寺にあり』
信長『是非に及ばず・・・』
何度見ても心を惹き付けられますよね
でも、その本能寺に至る光秀の動機がイマイチ、しっくりこないんです。
どのドラマの光秀も、動機の描かれ方に違和感を覚えます。
もちろん、会ったことも話したこともないので
本当のところの動機は僕も知らないですけど(笑)。
もしかしたら光秀自身、本当にイマイチ動機があやふやなまま
事に及んでしまったのかも知れませんが(爆)。
代表的な動機としてあげられるのが
1、恨み説
2、野心説
3、リストラ拒否説
4、陰謀説
5、責任説
とまぁ、いろいろ動機はあがっているわけですが、
本能寺に至る詳しい経緯や動機については
他のサイトに
素晴らしい記述がありましたのでそちらを見て下さい。
僕なりの推理で動機をみると
1、『恨み説』
確かに織田家中たちの目前で信長に罵倒され、
屈辱を味わった悔しさはわかります。
ただ、個人的な恨みで一族郎党を破滅させるほど
光秀は見境のない人間ではない
光秀の領国経営は民を慈しみ、民衆からも慕われていたそう。
比叡山のお膝元の坂本で民に慕われるには
そうとう心を砕いた統治をしていたに違いありません。
斎藤利三ら家臣からの信頼も篤く、
献身的に光秀をサポートしてました。
そんな政治力のある光秀が、恨みに身を任せて
事を起こすという説には説得力を感じません。
2、『野心説』
下克上は乱世の習い・・・
光秀もまた一人の乱世に生まれた将だった。
しかし、その割に本能寺の変後の光秀の対応をみると
その後の戦略が杜撰すぎると思います。
もちろん謀反の意など、どこから漏れ伝わるかわからないので
事前に誰かと共謀することはまずあり得ない。
変後、場当たり的な対応になってしまったのも仕方ない面もあります。
ただ、聡明な光秀のことなので、
『謀反人の味方にはつけない』という
世間の空気はある程度事前に読めていた筈です。
それを承知の上で、事を起こした。
とすれば、光秀が本能寺の変の後、本気で天下を獲ろうと
考えていたとは思えないです。
3、『リストラ拒否説』
信長は足利幕府を滅ぼし、織田政権を樹立したころから
家臣のリストラを断行しました。
譜代家臣の林、佐久間など働きの少なかった家臣を
容赦なく追放したのでした。
光秀はといえば信長からも『天下に面目を施した』と賞賛され
織田家臣のなかでもエリート中のエリートでした。
が、光秀が主に手柄をたてたのは
足利義昭や朝廷・公家衆との折衝が第一。
武功は丹波国を平定しましたが
そのほとんどは武力を使わない籠城戦。
自らも鉄砲の名手で
明智の鉄砲隊は精強でしたが
中国侵攻の羽柴、北陸侵攻の柴田、上州侵攻の滝川に比べると
武功の面では見劣りがあったかもしれません。
信長にしてみれば織田政権になった今、
行政は官僚たちにまかせてしまってよい。
京都における光秀の折衝力は必要なくなっていた。
さらに光秀の領国の周りには相対する敵はいない。
光秀ほどの有力武将を遊ばしておくわけにはいかなかった。
そこで信長が光秀に出した指令が
今の領地は召し上げ、秀吉の毛利攻めをサポートせよ
そこで働いて切り取った領地をお前にやる
これでは戦のあと、帰る場所がない。
「死ぬ気で働け」という信長の意はわからんでもないが、
いくら働いてもその頑張った成果の大半は
大将である秀吉の武功になってしまう。
よりにもよってライバルである秀吉に・・・。
これでは、さすがの光秀も絶望を感じたかもしれません。
このリストラ拒否説には、説得力があります。
でも、歴史としてのロマンがないですね(笑)
4、『陰謀説』
光秀のかつての主人・足利義昭にそそのかされた。
あるいは朝廷から・・・。
光秀は「義昭では将来がない」と見切りをつけ袂を別れた経緯があるので
京を追われ、毛利にかくまわれていた義昭にそそのかされたとしても
さすがにその手にはのらないでしょう
天皇や朝廷からそそのかされたという可能性はあるが、
信長の厳しい監視下で、朝廷側がそんな不穏な動きができたか
どうも現実的ではない気がします。
秀吉や家康との裏取引でという説にいたっては
もはやファンタジーに近い話にきこえます。
光秀は実は死んでおらず、南光坊天海になって
徳川に仕えただなんて、ナンセンスですね。
5、『責任説』
四国統一を目指していた長宗我部が光秀を仲介にして
信長にお墨付きを得ようとしていた。
信長はいったんはそれを認めたが、その後ひるがえし
四国攻めに向けて動き出した。
光秀は約束を反故にされた長宗我部への責任を感じ、
信長の四国攻めを阻止すべく本能寺の変を起こした・・・。
話の筋としては悪くはないが、この手の約束の反故は
乱世ではよくある話
そんなことで責任を感じていたら、命がいくつあっても足りません。
動機のひとつであったのかも知れませんが、
主要な動機とは考えにくいですね。
というわけで、いろいろな動機説を検証してきましたが、
長くなってしまったので次回!
『僕が光秀ならこれが動機でしょ!』という説を。。。